この写真に写っているのは、東京に70年以上存在したダダイズム様式の映画館「東洋キネマ」です。設計を手掛けたのは、私の子どもたちの曽祖父・小湊健二で、彼はレンズ製造会社の経営にも携わっていました。小湊はまた、東京・根津にあった映画館・娯楽施設「芙蓉館(ふようかん)」の設計も手掛けています。1941年には「根津東宝映画劇場」と改称され、戦時下の名称変更を経ても、地域の映画文化を支える場として長く愛されました。私の先祖は、日本の映画館文化の礎を築く一端を担っていたのです。
私の父は8mmフィルムとカメラに強い情熱を注ぎ、週末になると杉並の自宅で自ら撮影した8mm作品の上映会を開いていました。義父は撮影監督として世界各地を飛び回り、数々の映像作品を手掛けました。
私がフィルミネーションを立ち上げた理由のひとつは、既存の映画を新しい観客層に届け、収益化できるマーケットを作りたいという想いからです。振り返れば、「創造性」「映像芸術」「国際的な視野」に根ざした家族の歴史が、自然と私を映画の世界へと導いてくれたのだと思います。
すべての企業、すべてのプロジェクトには語るべき物語があります。私たちは映画や映像を通じて、その物語を鮮やかで心を動かす体験へと変換し、世界中に届けます。企画の初期段階から完成に至るまで、アイデアやビジョンを力強い映像に翻訳し、映像表現という芸術によって新たな価値を創造します。
2019年、日本映画の魅力を世界に広げたいという想いから、私は元マイクロソフトの同僚らと共にフィルミネーション株式会社を設立しました。私たちの使命は、日本映画の持つ独自の精神を世界に共有し、日本と国際社会をつなぐ架け橋となることです。2025年1月末時点で、フィルミネーションのプラットフォームには海外バイヤーアカウントが200件以上、ライセンサーが350件を超え、販売作品数は900作品以上にのぼります。これにより、フィルミネーションを通じて海外で視聴された日本映画の累計視聴者数は1,600万人を突破しました。
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